らんま1/2の二次創作&日々の徒然なること…? |
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「好きだからでしょっ!!」
「俺だって好きだからっ――」
勢いよく出た互いの言葉に息を呑み、真っ赤になる二人。
興奮と照れの気持ちでいっぱいなのだろう。
そして、一瞬、躊躇う。
だが、想いが昂ぶったのか、まるで自然に縮まる距離。
それは、双方、ファーストキスだろうと思える初々しさであり、思わずこちらまで恥ずかしくなるもの。
そうして二人はしばし余韻を楽しんだ後、手を繋いでその場を離れた。
「な、何かえれーもん見ちまったな、あかね」
「……も、もうっ、これって覗き見じゃないっ!」
「べ、別に俺のせいじゃねーだろ! 大体、授業中だってのに勝手に向こうが始めたんだぜ!? 不可抗力だろっ!!」
「そ、そうだけど……」
当事者でもないというのに、顔を見合わすことが出来ず、真っ赤になる、乱馬とあかね。
これは偶然で、覗き見などするつもりはなかった。
たまたま、体育館での授業の際、体育館裏にある倉庫へ物を二人で取りに行く用事を頼まれ、たまたま倉庫に行くまでの道で勝手に繰り広げられた故、目にした光景だった。
角を曲がれば倉庫、というところで男女の大喧嘩が始まり、何だと思って様子を伺うと――という顛末であった。
緊張もピークだったのか、人の気配など感じなかったらしく、ある意味迷惑千万な出来事。
乱馬は全く悪びれていないが、反してあかねは、一番見てはならないところを見た、と罪悪感たっぷりだった。
「えっと……い、行くか」
「あ、うん。そ、そうね」
二人が去り、倉庫前が開放され、気まずさ千パーセントのまま、向かう乱馬とあかね。
微妙な関係を保っている二人が見るには、あのシーンは非常に問題であり、こちらの空気までもおかしくなる。
「ったく……じゅ、授業中に何してんだ」
倉庫に入ると、二人きりの空間が誇張され、益々気まずいのか、乱馬は何とかそれを払拭しようと、頼まれものを捜す。
あかねも気まずさを忘れようと、背中合わせに立ち、乱馬のそれに倣う。
「あ、あんただって変わらないわよ。寝てて授業聞いてないんだから。それに隣は自習でしょ。でもあの二人なら抜け出したのがわかったら大変よね」
「何で、んなことわかるんだよ」
きょとん、とした風の声。
「あんた知らないの――?」
有名なのに、と言いかけて、あかねは言葉を呑む。
学校一のお騒がせ有名カップルと言われるこの二人で霞むが、先程の二人もつかず離れずの幼なじみで、乱馬とあかね同様に、どうなるかと、興味を置かれていた。
腐れ縁とも言える、ある意味似た立場。
乱馬とあかねが先か、先程の二人が先か、と、水面下ではちょっとした話題になっていた。
と、あかねはさゆりやゆかに聞いて、「頑張れ」とエールを送られていた。
乱馬がそんな話題に興味を持ち、知っていると思わず、故に、更に微妙な空気にしないためにも口を噤んだ。
「――隣が自習って有名なのかよ」
「えっ?」
求められていた回答は違ったらしく、笑いの混ざった言葉。
その続け様に出た、「あった」と言う乱馬の言葉に、あかねが振り向いた。
そこで初めて、目が合った。
「……先、こされちまったな……」
それは小さな呟き。
声が出せず、ただただ目を見開くあかねに、乱馬は我に返ったように慌てると、「も、戻るぞ!!」と足早に倉庫の扉を出た。
「えぇっ……!? ちょ、ちょっと!!」
噂を知っていたことにも驚くが、何より――
(先をこされたってことは……――)
いずれ、そうなるつもりでいる、ということを示す。
とはいえ――本心を聞ける訳もない。
あかねは、期待と不安とが混ざり、靄がかかったような心を抱きながら、乱馬から少し遅れて、その扉を出た。
こんな調子で、しかも大分時間も経ってから戻った二人。
よって、逆に「何をしていたのか」と問いただされ、益々気まずい想いをするのであった。
「俺だって好きだからっ――」
勢いよく出た互いの言葉に息を呑み、真っ赤になる二人。
興奮と照れの気持ちでいっぱいなのだろう。
そして、一瞬、躊躇う。
だが、想いが昂ぶったのか、まるで自然に縮まる距離。
それは、双方、ファーストキスだろうと思える初々しさであり、思わずこちらまで恥ずかしくなるもの。
そうして二人はしばし余韻を楽しんだ後、手を繋いでその場を離れた。
「な、何かえれーもん見ちまったな、あかね」
「……も、もうっ、これって覗き見じゃないっ!」
「べ、別に俺のせいじゃねーだろ! 大体、授業中だってのに勝手に向こうが始めたんだぜ!? 不可抗力だろっ!!」
「そ、そうだけど……」
当事者でもないというのに、顔を見合わすことが出来ず、真っ赤になる、乱馬とあかね。
これは偶然で、覗き見などするつもりはなかった。
たまたま、体育館での授業の際、体育館裏にある倉庫へ物を二人で取りに行く用事を頼まれ、たまたま倉庫に行くまでの道で勝手に繰り広げられた故、目にした光景だった。
角を曲がれば倉庫、というところで男女の大喧嘩が始まり、何だと思って様子を伺うと――という顛末であった。
緊張もピークだったのか、人の気配など感じなかったらしく、ある意味迷惑千万な出来事。
乱馬は全く悪びれていないが、反してあかねは、一番見てはならないところを見た、と罪悪感たっぷりだった。
「えっと……い、行くか」
「あ、うん。そ、そうね」
二人が去り、倉庫前が開放され、気まずさ千パーセントのまま、向かう乱馬とあかね。
微妙な関係を保っている二人が見るには、あのシーンは非常に問題であり、こちらの空気までもおかしくなる。
「ったく……じゅ、授業中に何してんだ」
倉庫に入ると、二人きりの空間が誇張され、益々気まずいのか、乱馬は何とかそれを払拭しようと、頼まれものを捜す。
あかねも気まずさを忘れようと、背中合わせに立ち、乱馬のそれに倣う。
「あ、あんただって変わらないわよ。寝てて授業聞いてないんだから。それに隣は自習でしょ。でもあの二人なら抜け出したのがわかったら大変よね」
「何で、んなことわかるんだよ」
きょとん、とした風の声。
「あんた知らないの――?」
有名なのに、と言いかけて、あかねは言葉を呑む。
学校一のお騒がせ有名カップルと言われるこの二人で霞むが、先程の二人もつかず離れずの幼なじみで、乱馬とあかね同様に、どうなるかと、興味を置かれていた。
腐れ縁とも言える、ある意味似た立場。
乱馬とあかねが先か、先程の二人が先か、と、水面下ではちょっとした話題になっていた。
と、あかねはさゆりやゆかに聞いて、「頑張れ」とエールを送られていた。
乱馬がそんな話題に興味を持ち、知っていると思わず、故に、更に微妙な空気にしないためにも口を噤んだ。
「――隣が自習って有名なのかよ」
「えっ?」
求められていた回答は違ったらしく、笑いの混ざった言葉。
その続け様に出た、「あった」と言う乱馬の言葉に、あかねが振り向いた。
そこで初めて、目が合った。
「……先、こされちまったな……」
それは小さな呟き。
声が出せず、ただただ目を見開くあかねに、乱馬は我に返ったように慌てると、「も、戻るぞ!!」と足早に倉庫の扉を出た。
「えぇっ……!? ちょ、ちょっと!!」
噂を知っていたことにも驚くが、何より――
(先をこされたってことは……――)
いずれ、そうなるつもりでいる、ということを示す。
とはいえ――本心を聞ける訳もない。
あかねは、期待と不安とが混ざり、靄がかかったような心を抱きながら、乱馬から少し遅れて、その扉を出た。
こんな調子で、しかも大分時間も経ってから戻った二人。
よって、逆に「何をしていたのか」と問いただされ、益々気まずい想いをするのであった。
一日を想う10のお題/通常学校編 より 配布サイト:tricky voice サマ
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