らんま1/2の二次創作&日々の徒然なること…? |
vitamin+ |
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
以前なら、苦労していた鬼ごっこだが、しかし何度もやられれば――何より自身の過酷な修行の成果がここにも活かされていた。
幸か不幸か。
「……"晩飯"のためなのね」
ぽつり、と呟かれたあかねの言葉。
わかっていても、思わず出てしまったそれに、口元を押さえる。
「は? 何て言った!?」
が、屋根を飛び跳ねるたびに受ける前から風のせいか、その声は消えてしまったよう。
それは乱馬から返ってきた声の強さでわかる。
消え去った言葉に安堵しながら、あかねは口を開いた。
「別に! ねぇ、そろそろ下ろして欲しいんだけど!」
照れ隠しに出た言葉は、思った以上に不機嫌であったため、乱馬が軽く眉を顰めた。
「助けてやってそんな言い方しか出来ねーのか? 可愛くねーヤツっ!!」
言いながら、屋根から身軽に飛び降りると、まるで負担がないかのように、軽く着地する。
一体どうすればそんな風に――と思えるほどの、優しい振動。
と、同時に、ゆっくり下ろされ、しばらくぶりに地に足をつけ、そして並んで歩き出した。
荷物は相変わらず乱馬が、そしてあかねは渡された雑誌だけを持って。
かさかさと、袋の音をさせながら、歩く家路。
「ったく、何してたんだよ。皆待ちくたびれてたぞ」
「……だって、訳のわからない言いがかりつけられたんだもん」
「訳のわからない言いがかり? いつものことじゃねーか」
「そうだけどっ! でも今日のは・・・」
先ほどの憎まれ口を忘れたかのように、不思議そうにしている乱馬にそう言いかけて、あかねは一瞬躊躇った。
が、しかし隠したところで、日を改めてでも――下手したらすぐ晩にでも来るかもしれない三人。
それを思うと何も知らない乱馬へ、逞しい想像力のまま何か言われてはたまったものじゃない。
雑誌を乱馬に押し付けた。
「身に覚えの全くないこと!!」
ページを開いたまま胸に押し付けられたそれを乱馬は受け取ると、その見開きに視線を落とす。
そして固まった。
「げぇっ!!何だこれっ!?」
足を止め、目を見開いている乱馬は、あかねに視線を移す。
それを受けて、あかねは思い切り首を振った。
「し、知らないわよ!! 大方おねえちゃんが、合成とか何かしたんでしょ」
「なびきのやつ……」
文句を言いながら、乱馬は雑誌をくいるように見つめると、「おい……良く見ろよ」と、あかねの元にその雑誌を戻した。
「え?」
どこのことかわからずに、相変わらず幸せそうな二人を見るだけだったが、乱馬はあるところを指差す。
「ここ――」
そこには、賞金五十万円の文字。
「えぇっ!? こんなに!?」
「……なびきのヤツ、最近羽振りがいいとは思っていたが……」
乱馬はそう言うと、しばしの後、ニヤリと笑った。
「これ、俺たちにも貰う権利あるよな? モデル代として」
「え? それは……」
確かに乱馬の言う"権利"はあるが――
「――でも、あのおねえちゃんよ。一筋縄でいかないと思うけど」
今までの経験上、なびきはびた一文出した試しはない。
よく勝手に乱馬共々運動部に借り出されることがあった時でさえ、借り出された本人の懐に入ったことなど、ない。
本来、そんなことがあってはならないのだが。
とにかく、どんな正論でも、理不尽な答えて丸め込むのが、なびき。
そして姉妹であっても容赦ない。
とはいえ――
「どう合成したのか知らないけど、本人の許可なく撮ったんだから――とりあえず文句は言えるよね。それに言いがかつけられて、迷惑も被ってるんだし!!」
あまりにも身に覚えがないことで、トラブルに巻き添えほど腹の立つことはない。
言葉にすると、段々怒りが心頭し始めるあかね。
「そうだぜ! いつも俺たちばっかり損してられねー! いいか、あかね。今日こそはなびきにガツンと言ってやろうぜ!」
「そ、そうよね! うん、頑張ろう!!」
そして、この写真のことも聞き出さねばならない。
乱馬とあかねは、打倒なびきを掲げながら、二人並んで再び歩き始めた。
幸か不幸か。
「……"晩飯"のためなのね」
ぽつり、と呟かれたあかねの言葉。
わかっていても、思わず出てしまったそれに、口元を押さえる。
「は? 何て言った!?」
が、屋根を飛び跳ねるたびに受ける前から風のせいか、その声は消えてしまったよう。
それは乱馬から返ってきた声の強さでわかる。
消え去った言葉に安堵しながら、あかねは口を開いた。
「別に! ねぇ、そろそろ下ろして欲しいんだけど!」
照れ隠しに出た言葉は、思った以上に不機嫌であったため、乱馬が軽く眉を顰めた。
「助けてやってそんな言い方しか出来ねーのか? 可愛くねーヤツっ!!」
言いながら、屋根から身軽に飛び降りると、まるで負担がないかのように、軽く着地する。
一体どうすればそんな風に――と思えるほどの、優しい振動。
と、同時に、ゆっくり下ろされ、しばらくぶりに地に足をつけ、そして並んで歩き出した。
荷物は相変わらず乱馬が、そしてあかねは渡された雑誌だけを持って。
かさかさと、袋の音をさせながら、歩く家路。
「ったく、何してたんだよ。皆待ちくたびれてたぞ」
「……だって、訳のわからない言いがかりつけられたんだもん」
「訳のわからない言いがかり? いつものことじゃねーか」
「そうだけどっ! でも今日のは・・・」
先ほどの憎まれ口を忘れたかのように、不思議そうにしている乱馬にそう言いかけて、あかねは一瞬躊躇った。
が、しかし隠したところで、日を改めてでも――下手したらすぐ晩にでも来るかもしれない三人。
それを思うと何も知らない乱馬へ、逞しい想像力のまま何か言われてはたまったものじゃない。
雑誌を乱馬に押し付けた。
「身に覚えの全くないこと!!」
ページを開いたまま胸に押し付けられたそれを乱馬は受け取ると、その見開きに視線を落とす。
そして固まった。
「げぇっ!!何だこれっ!?」
足を止め、目を見開いている乱馬は、あかねに視線を移す。
それを受けて、あかねは思い切り首を振った。
「し、知らないわよ!! 大方おねえちゃんが、合成とか何かしたんでしょ」
「なびきのやつ……」
文句を言いながら、乱馬は雑誌をくいるように見つめると、「おい……良く見ろよ」と、あかねの元にその雑誌を戻した。
「え?」
どこのことかわからずに、相変わらず幸せそうな二人を見るだけだったが、乱馬はあるところを指差す。
「ここ――」
そこには、賞金五十万円の文字。
「えぇっ!? こんなに!?」
「……なびきのヤツ、最近羽振りがいいとは思っていたが……」
乱馬はそう言うと、しばしの後、ニヤリと笑った。
「これ、俺たちにも貰う権利あるよな? モデル代として」
「え? それは……」
確かに乱馬の言う"権利"はあるが――
「――でも、あのおねえちゃんよ。一筋縄でいかないと思うけど」
今までの経験上、なびきはびた一文出した試しはない。
よく勝手に乱馬共々運動部に借り出されることがあった時でさえ、借り出された本人の懐に入ったことなど、ない。
本来、そんなことがあってはならないのだが。
とにかく、どんな正論でも、理不尽な答えて丸め込むのが、なびき。
そして姉妹であっても容赦ない。
とはいえ――
「どう合成したのか知らないけど、本人の許可なく撮ったんだから――とりあえず文句は言えるよね。それに言いがかつけられて、迷惑も被ってるんだし!!」
あまりにも身に覚えがないことで、トラブルに巻き添えほど腹の立つことはない。
言葉にすると、段々怒りが心頭し始めるあかね。
「そうだぜ! いつも俺たちばっかり損してられねー! いいか、あかね。今日こそはなびきにガツンと言ってやろうぜ!」
「そ、そうよね! うん、頑張ろう!!」
そして、この写真のことも聞き出さねばならない。
乱馬とあかねは、打倒なびきを掲げながら、二人並んで再び歩き始めた。
⇒NEXT
PR
この記事にコメントする