らんま1/2の二次創作&日々の徒然なること…? |
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「ここ、来てみたかったのよね! 何にしようかしら~」
楽しげなあかねの声を耳にしながら、乱馬はため息をつきながらメニューを広げていた。
ここは天道家から十分程歩いた場所、住宅地から少し離れた場所にある、CAFE。
最近出来たばかりで、近い場所にありながら、しかし中々来ることが出来なかった。
あかねはしきりに行ってみたいと繰り返していたが、一緒に行くことを乱馬はずっと拒んでいたから。
というのも、何せ、この内装、カーテンやテーブルクロスなどはレースやピンクでまとめられており、置かれた小物もぬいぐるみやら、とにかく女の子らしい雰囲気で、男が入るには少々、否、かなり勇気がいる。
だから――のハズだったが――
――ねぇ、乱馬。晩ご飯、食べに行かない?
――あの店、行きたいの。ランチだけじゃなく、夜のメニューもあるのよ!
帰宅して、着替えを済ませたあかねは、居間にいる乱馬にそう声をかけて来た。
あの店――それだけでどの店を指すのかすぐにわかり、内装を思い出して思わず顔を歪ませると、あかねは見て、と紙を差し出した。
その紙には、OPEN三ヵ月記念らしく、先着で食後にお好きなデザートをプレゼントとあった。
――あのお店のパフェ、評判なの知ってるでしょ。だから、ね。
噂は聞いており、そして値段が意外と張ることもありどんなものかと興味はあった。
それに後押しされたように頷いた乱馬だが、別に好物のパフェだけに釣られたわけではない。
密かに晩ご飯にも頭を抱えていた乱馬だっただけに、あかねの誘いを断ることなど出来はしなかった。
あかねの料理は……という出来なので。
二人きりだということ、そして色んな意味で安心してしまったこともあってのことだが、それは秘密である。
(…それにしても………俺だけか? こんなに意識してんの)
悶々と考えつつも、平静を装う自分に対して、いつもと変わらない様子のあかね。
一時、よく何かにつけてこうして二人にされたこともあり、慣れた、と言えばおかしい話だが、今までやり過ごしてきた時と変わらない。
が、あかねはそうでも、自分は違う。
もう少しこのままで――今まではそう願っていたが、変わりたい、今はそう願う気持ちが大きく占めていた。
誰にでも優しく、日に日に綺麗になるあかねに視線を向ける輩は増える一方。
そんな中でも、乱馬は許婚という立場のために、誰よりも二人の距離を近くさせているけれど、そんな絆で傍にいることを欲しているわけではない。
そんなあかねの心が、全てが欲しいのだ。
強くなる独占欲。
しかし、誰よりも大事で、大事にしたいからこそ、こんな仕組まれた形で何かが――だけは避けたかった。
だから、この環境は、乱馬にとっては怖かった。
だのに、こんな風に思うのは自分だけなのか、そう思うと落ち着かない気持ちになる。
全くの無防備さで近づかれたりすると堪らない。
かと言って、妙に意識しすぎてギクシャクするよりもいい気もするが――
(はぁ……)
矛盾した気持ちをぐるぐると巡らせながら、小さくため息をつき、そしてあかねの様子を伺おうとメニューからちらりと視線を僅かに上げる。
(………あれ……?)
と、慌てて視線を落としたあかねがいた――気がした。
「えぇっと……リゾットも捨てがたいけど、このパスタセットも良さそうよね」
唐突に出た、言葉。
相変わらず楽しげな声だが、しかし見えたその笑顔に少し違和感を覚える。
「…ねぇ、乱馬は何を食べるの?」
いつもなら、真っ直ぐ見て話しかける、あかね。
しかし、今は視線を落としたまま、熱心そうにメニューを見つめる。
「…まだ、決めてねーけど、おめーは?」
「あたしも、まだ決めてない。でも……別にゆっくり決めればいいよね。だって時間はいっぱいあるし……」
その言葉に、心臓が、波打つ。
長い時間をどうすべきか――これからのことをふと浮かべ思い悩んでいると、ねぇ乱馬、とあかねは苦笑しながら顔を上げた。
「ズルイよね、みんな。いつもコソコソして。あたしたちなんか蚊帳の外」
「……あぁ」
唐突に変化したあかねの表情と今更な言葉の意味するところがわからず、戸惑いがちに答える。
「それに……信用されてないのよね……違う、諦め、かしら」
「え?」
ぽつりと呟くその言葉は段々小さくなり、最後の方は聞き取れなかった。
信用されてない――それは聞こえた乱馬だが、あかねの言わんとしている意味がやはりわからなかった。
首を傾げるが、そんな乱馬を他所にあかねは再びメニューに視線を落とした。
「何……」
意味と後に続いた言葉を問おうとしたが、しかし妙な議論に発展することを恐れ、開きかけた口を閉ざした。
あかねの言葉を反芻させながら、乱馬はあかねと同じ様に視線をメニューに落とす。
(……逆に変に信用されてるから、この状況下に置かれてるんじゃ……違うのか?)
わからない、その意味。
いくら考えても無駄だと思うと、そこから離れようと首を左右に振り、ちゃんと食べるものを決めようとメニューを眺めた。
楽しげなあかねの声を耳にしながら、乱馬はため息をつきながらメニューを広げていた。
ここは天道家から十分程歩いた場所、住宅地から少し離れた場所にある、CAFE。
最近出来たばかりで、近い場所にありながら、しかし中々来ることが出来なかった。
あかねはしきりに行ってみたいと繰り返していたが、一緒に行くことを乱馬はずっと拒んでいたから。
というのも、何せ、この内装、カーテンやテーブルクロスなどはレースやピンクでまとめられており、置かれた小物もぬいぐるみやら、とにかく女の子らしい雰囲気で、男が入るには少々、否、かなり勇気がいる。
だから――のハズだったが――
――ねぇ、乱馬。晩ご飯、食べに行かない?
――あの店、行きたいの。ランチだけじゃなく、夜のメニューもあるのよ!
帰宅して、着替えを済ませたあかねは、居間にいる乱馬にそう声をかけて来た。
あの店――それだけでどの店を指すのかすぐにわかり、内装を思い出して思わず顔を歪ませると、あかねは見て、と紙を差し出した。
その紙には、OPEN三ヵ月記念らしく、先着で食後にお好きなデザートをプレゼントとあった。
――あのお店のパフェ、評判なの知ってるでしょ。だから、ね。
噂は聞いており、そして値段が意外と張ることもありどんなものかと興味はあった。
それに後押しされたように頷いた乱馬だが、別に好物のパフェだけに釣られたわけではない。
密かに晩ご飯にも頭を抱えていた乱馬だっただけに、あかねの誘いを断ることなど出来はしなかった。
あかねの料理は……という出来なので。
二人きりだということ、そして色んな意味で安心してしまったこともあってのことだが、それは秘密である。
(…それにしても………俺だけか? こんなに意識してんの)
悶々と考えつつも、平静を装う自分に対して、いつもと変わらない様子のあかね。
一時、よく何かにつけてこうして二人にされたこともあり、慣れた、と言えばおかしい話だが、今までやり過ごしてきた時と変わらない。
が、あかねはそうでも、自分は違う。
もう少しこのままで――今まではそう願っていたが、変わりたい、今はそう願う気持ちが大きく占めていた。
誰にでも優しく、日に日に綺麗になるあかねに視線を向ける輩は増える一方。
そんな中でも、乱馬は許婚という立場のために、誰よりも二人の距離を近くさせているけれど、そんな絆で傍にいることを欲しているわけではない。
そんなあかねの心が、全てが欲しいのだ。
強くなる独占欲。
しかし、誰よりも大事で、大事にしたいからこそ、こんな仕組まれた形で何かが――だけは避けたかった。
だから、この環境は、乱馬にとっては怖かった。
だのに、こんな風に思うのは自分だけなのか、そう思うと落ち着かない気持ちになる。
全くの無防備さで近づかれたりすると堪らない。
かと言って、妙に意識しすぎてギクシャクするよりもいい気もするが――
(はぁ……)
矛盾した気持ちをぐるぐると巡らせながら、小さくため息をつき、そしてあかねの様子を伺おうとメニューからちらりと視線を僅かに上げる。
(………あれ……?)
と、慌てて視線を落としたあかねがいた――気がした。
「えぇっと……リゾットも捨てがたいけど、このパスタセットも良さそうよね」
唐突に出た、言葉。
相変わらず楽しげな声だが、しかし見えたその笑顔に少し違和感を覚える。
「…ねぇ、乱馬は何を食べるの?」
いつもなら、真っ直ぐ見て話しかける、あかね。
しかし、今は視線を落としたまま、熱心そうにメニューを見つめる。
「…まだ、決めてねーけど、おめーは?」
「あたしも、まだ決めてない。でも……別にゆっくり決めればいいよね。だって時間はいっぱいあるし……」
その言葉に、心臓が、波打つ。
長い時間をどうすべきか――これからのことをふと浮かべ思い悩んでいると、ねぇ乱馬、とあかねは苦笑しながら顔を上げた。
「ズルイよね、みんな。いつもコソコソして。あたしたちなんか蚊帳の外」
「……あぁ」
唐突に変化したあかねの表情と今更な言葉の意味するところがわからず、戸惑いがちに答える。
「それに……信用されてないのよね……違う、諦め、かしら」
「え?」
ぽつりと呟くその言葉は段々小さくなり、最後の方は聞き取れなかった。
信用されてない――それは聞こえた乱馬だが、あかねの言わんとしている意味がやはりわからなかった。
首を傾げるが、そんな乱馬を他所にあかねは再びメニューに視線を落とした。
「何……」
意味と後に続いた言葉を問おうとしたが、しかし妙な議論に発展することを恐れ、開きかけた口を閉ざした。
あかねの言葉を反芻させながら、乱馬はあかねと同じ様に視線をメニューに落とす。
(……逆に変に信用されてるから、この状況下に置かれてるんじゃ……違うのか?)
わからない、その意味。
いくら考えても無駄だと思うと、そこから離れようと首を左右に振り、ちゃんと食べるものを決めようとメニューを眺めた。
ひとつ屋根の下に贈る5つのお題1 より 配布サイト:tricky voice サマ
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