らんま1/2の二次創作&日々の徒然なること…? |
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明日から三連休。
うきうきとした気分で学校から帰宅した乱馬だが、テーブルのメモを見て呆然とした。
しかし、それは一瞬のことで、すぐに我に返ると、
「あいつら~!!」
そう叫び、そのメモをくしゃっと握りつぶした。
戸に鍵がかかっている時から、何となく変だとは感じていた乱馬。
帰宅時には家族の、特に大家族の家事を担っているかすみは、夕食の準備などをしており、留守にすることはないと言っても過言ではなく、かすみが万一いないとしても、誰かしらが出迎えてくれる。
だが、珍しく家ががらんとしていた。
部屋にかばんを置き、どこに行ったのか、そう思っていたが――
――皆がいない
――明日から三連休
(まさかっ!!)
不意に浮かんだ状況に、慌てて居間に向かうと、テーブルにある紙切れが目に入り、嫌な予感は的中した。
――あかね、乱馬くんへ この三連休、留守にします
そんな風に始まった手紙。
そこには、
あかねの父、乱馬の両親は町内会の温泉旅行
かすみは友人と旅行
なびきは友人宅にお泊り
など、家族の予定と共に、要するに乱馬とあかね、この三連休を、二人っきりで――ここを強調しながら――過ごすようにと書いてあった。
「信じられねー……」
乱馬は居間のテーブルに座り込み、項垂れた。
(俺、もう無理かも……)
喧嘩ばかりで反発し合っているように見えるが、ただ、素直になれないというだけ。
好意を持ちながら、しかし元来の負けず嫌いが邪魔してか、自分からが歩み寄ることは負けた気がするのか気持ちを認めることが出来なかった。
それに、奇跡的に素直になって少し進展しそうになると、必ず家族のからかいや邪魔が入るせいで、気持ちで遊ばれてはと心は益々頑なになっていた。
故に、ひとつ屋根の下に共に暮らす中で、どれだけ、気持ちを抑えてきたのか――吐き出せず、ずっと抱えた募る想い。
気持ちが通じ合っているわけではない。
が、こんな状況を作られれば――乱馬は頭を抱えた。
「ちくしょー……」
全員揃って、偶然なんてあり得ない。
誰かの陰謀――誰か、などと、考えなくともわかりきっている。
許婚同士である乱馬とあかねがいつまでたっても意地を張り合り、喧嘩ばかりしているから、と仲を進展させたい親たちの仕業であると。
普通の親ならば考えられない。
既成事実を作ってくれ、といわんばかりに、年頃の男女をこうした状況に平気で陥らせるなんてことを。
こんな陰謀、簡単に乗りたくはないのだが、鈍感で無防備に振舞うあかねを前に、三日、厳密には二日だが、乗り切れるか、乱馬に自信はなかった。
うきうきとした気分で学校から帰宅した乱馬だが、テーブルのメモを見て呆然とした。
しかし、それは一瞬のことで、すぐに我に返ると、
「あいつら~!!」
そう叫び、そのメモをくしゃっと握りつぶした。
戸に鍵がかかっている時から、何となく変だとは感じていた乱馬。
帰宅時には家族の、特に大家族の家事を担っているかすみは、夕食の準備などをしており、留守にすることはないと言っても過言ではなく、かすみが万一いないとしても、誰かしらが出迎えてくれる。
だが、珍しく家ががらんとしていた。
部屋にかばんを置き、どこに行ったのか、そう思っていたが――
――皆がいない
――明日から三連休
(まさかっ!!)
不意に浮かんだ状況に、慌てて居間に向かうと、テーブルにある紙切れが目に入り、嫌な予感は的中した。
――あかね、乱馬くんへ この三連休、留守にします
そんな風に始まった手紙。
そこには、
あかねの父、乱馬の両親は町内会の温泉旅行
かすみは友人と旅行
なびきは友人宅にお泊り
など、家族の予定と共に、要するに乱馬とあかね、この三連休を、二人っきりで――ここを強調しながら――過ごすようにと書いてあった。
「信じられねー……」
乱馬は居間のテーブルに座り込み、項垂れた。
(俺、もう無理かも……)
喧嘩ばかりで反発し合っているように見えるが、ただ、素直になれないというだけ。
好意を持ちながら、しかし元来の負けず嫌いが邪魔してか、自分からが歩み寄ることは負けた気がするのか気持ちを認めることが出来なかった。
それに、奇跡的に素直になって少し進展しそうになると、必ず家族のからかいや邪魔が入るせいで、気持ちで遊ばれてはと心は益々頑なになっていた。
故に、ひとつ屋根の下に共に暮らす中で、どれだけ、気持ちを抑えてきたのか――吐き出せず、ずっと抱えた募る想い。
気持ちが通じ合っているわけではない。
が、こんな状況を作られれば――乱馬は頭を抱えた。
「ちくしょー……」
全員揃って、偶然なんてあり得ない。
誰かの陰謀――誰か、などと、考えなくともわかりきっている。
許婚同士である乱馬とあかねがいつまでたっても意地を張り合り、喧嘩ばかりしているから、と仲を進展させたい親たちの仕業であると。
普通の親ならば考えられない。
既成事実を作ってくれ、といわんばかりに、年頃の男女をこうした状況に平気で陥らせるなんてことを。
こんな陰謀、簡単に乗りたくはないのだが、鈍感で無防備に振舞うあかねを前に、三日、厳密には二日だが、乗り切れるか、乱馬に自信はなかった。
ひとつ屋根の下に贈る5つのお題1 より 配布サイト:tricky voice サマ
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