らんま1/2の二次創作&日々の徒然なること…? |
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バタン! と勢い良く開けるドア。
乱馬と、遅れてあかねがその勢いにまかせて部屋に入ると、なびきの姿が視界に入った。
ベッドに寝そべって雑誌を読みながらせんべいをかじっていたなびき。
「くぉらっなびき! どういうつもりだ!!」
そのなびきに近づき、凄む乱馬だが――
「――どういうつもりはこちのセリフよ。レディの部屋にノックもなしで入って来るなんて」
乱馬の勢いに反して、冷静に言葉を返す。
この温度差にいきなり出鼻をくじかれそうになるが、しかし負けじと乱馬は口を開いた。
今回ばかりは自分たちが正しいという自信のもとであり、言い訳できるはずはないと。
「おめーにそんな礼儀必要ねー! いいからこれを見ろ!!」
強気でそう言うと、乱馬は持っていた雑誌をなびきの目の前に落とした。
何よ、となびきはため息交じりでその雑誌に視線を向ける。
するとしばし考え、まるでワザとらしく「あぁ~!」とぽんと、手を打った。
「これね? あらら、見つかっちゃったか――マニアック雑誌だったのに」
身を起こしてそのページを見つめたまま、なびきは肩を竦める。
「でも良く撮れてるでしょ?」
そして挙句、そうしれっと言いいながら微笑んだ。
「おねえちゃん!! そういう問題じゃないでしょ!」
「おまっ……反省の言葉はないのか!? 反省の言葉は!!」
全く悪びれていない言葉に乱馬とあかねは声を上げる。
「はぁ? どうしてあたしがあんたたちに反省しなくちゃいけないのよ」
だが、乱馬とあかねが責めたところで、なびきは気にしていなかった。
「どうしてじゃないわ! ちゃんと説明してよ! この写真、合成までして一体どういうつもりなのよ!! お陰であたしたち、大迷惑したのよ!!」
「はは~ん、なるほど……あの三人が見つけたのね。目ざとい……」
二人の責めよりも、何故ばれたのか――原因の方が気になるらしいなびきは、顎に手を当て頷いている。
その姿は、この期に及んで何かを企んでるらしくも見え――
「おねえちゃん!!」
お答えにならない言葉に、あかねが苛立つように名を紡ぐと、まぁまぁとなびきは制した。
「この写真、合成のわけないでしょ。大体そんなことしたらプロに一目でバレちゃうもの」
「……は? ま、まてよ! じゃぁこれ――」
記憶にありませんという乱馬の反応に、なびきは逆に呆れたように口を開く。
「ホント、あんたたち――って乱馬くんが覚えているはずはないわよね。ほら、いつものパターンじゃない。まぁ何度もあったら覚えてもないでしょうけど」
乱馬は首を傾げていたが、あかねはピンと来たらしく、真っ赤になった。
「この時のがホント良く撮れたのよねー。これ、猫になった後のアンタをあかねが押さえてるところ」
「なっ――……!?」
猫――唯一の弱点を強く差し出されたら、乱馬は猫に同化しようとし、記憶をそこから一切失う。
故に、写真を見たところでわかるはずもない。
いつも意識がないとはいえ――否、ないからこそ無意識に甘えているその姿は、自分の素直な姿を示しているようで、乱馬は真っ赤になった。
そしてあかねはあかねで、そんな乱馬を前に、まるで愛おしそうに見つめている。
無意識とはいえ、そんな自分の姿をなびきの写真で目の当たりしたのだ。
写真は気持ちを如実に語っていると言うのか――コメントし難い自身たちに、強気な姿は消え、微妙な空気が流れた。
「……ちょっと、やめてよ。いちゃつくなら別の部屋にしてちょうだい」
原因を作った張本人であるというのに、なびきは不機嫌そうにそう言い放つ。
そして問題は片付いたとばかりに、先ほど同様ベッドに沈み、雑誌に視線を落とした。
「じょ、冗談じゃない!!」
「ばっ、誰がいちゃつくか!!」
「それに前から言ってるけど、あたしたちでお小遣い稼ぎをしないでよ!」
「そうだ! 人の不幸を金にするなんて、なんてヤツだ!!」
なびきの姿に我に返り、そして責めるように言葉を紡ぐが、なびきはひらひらと手を振りながら、笑う。
「人聞き悪いわね。何言ってんの~。あんたたちの結婚資金になるんだから、感謝しなさいよ!」
そして、「あ、そうそう」と、なびきは思い出したように近くにあった財布を手にすると、一万円札を取り出した。
「謝礼よ。デートでもして来たら」
片目をぱちん、と器用に瞑るとその一枚のお札を乱馬とあかねに差し出すなびき。
「そういう問題じゃないでしょ!」
「まぁまぁ、いいじゃない。こういうものは快く受け取るのが礼儀よ」
「お前っ……」
無茶苦茶な言葉で言いくるめようとするなびきに、色々まだまだ言いたいことのある二人は、ジト目で睨みつける。
が、それを言わせることなく、なびきは遮った。
お父さんたちにこの本見せたらどうなるかしらね、と。
一枚も二枚も上手であるなびきに言葉を失う二人。
そう脅されては、結局打倒なびきなど出来ることもなく、一万円札を片手に、その部屋を出た。
酷い目には合ったが――
貰った折角の一万円。
故にその分け前を快く使おうとした乱馬とあかね。
だが――
タダより高いものはない
とはこのことか。
今度はデートの写真を撮られ、なびきは新聞部に売ると言う荒業を見せた。
渡された謝礼は倍以上になったであろうなびき。
抜かりない"あね"の姿に、乱馬もあかねも自分たちの甘さを痛感するしかなかった。
そして
幸せの瞬間――
写真は間違いなくその言葉を映し出していたが、それは二人の過ごす時間だけではなく、なびきの幸せのための瞬間という意味ではないかと、乱馬もあかねも感じていた。
乱馬と、遅れてあかねがその勢いにまかせて部屋に入ると、なびきの姿が視界に入った。
ベッドに寝そべって雑誌を読みながらせんべいをかじっていたなびき。
「くぉらっなびき! どういうつもりだ!!」
そのなびきに近づき、凄む乱馬だが――
「――どういうつもりはこちのセリフよ。レディの部屋にノックもなしで入って来るなんて」
乱馬の勢いに反して、冷静に言葉を返す。
この温度差にいきなり出鼻をくじかれそうになるが、しかし負けじと乱馬は口を開いた。
今回ばかりは自分たちが正しいという自信のもとであり、言い訳できるはずはないと。
「おめーにそんな礼儀必要ねー! いいからこれを見ろ!!」
強気でそう言うと、乱馬は持っていた雑誌をなびきの目の前に落とした。
何よ、となびきはため息交じりでその雑誌に視線を向ける。
するとしばし考え、まるでワザとらしく「あぁ~!」とぽんと、手を打った。
「これね? あらら、見つかっちゃったか――マニアック雑誌だったのに」
身を起こしてそのページを見つめたまま、なびきは肩を竦める。
「でも良く撮れてるでしょ?」
そして挙句、そうしれっと言いいながら微笑んだ。
「おねえちゃん!! そういう問題じゃないでしょ!」
「おまっ……反省の言葉はないのか!? 反省の言葉は!!」
全く悪びれていない言葉に乱馬とあかねは声を上げる。
「はぁ? どうしてあたしがあんたたちに反省しなくちゃいけないのよ」
だが、乱馬とあかねが責めたところで、なびきは気にしていなかった。
「どうしてじゃないわ! ちゃんと説明してよ! この写真、合成までして一体どういうつもりなのよ!! お陰であたしたち、大迷惑したのよ!!」
「はは~ん、なるほど……あの三人が見つけたのね。目ざとい……」
二人の責めよりも、何故ばれたのか――原因の方が気になるらしいなびきは、顎に手を当て頷いている。
その姿は、この期に及んで何かを企んでるらしくも見え――
「おねえちゃん!!」
お答えにならない言葉に、あかねが苛立つように名を紡ぐと、まぁまぁとなびきは制した。
「この写真、合成のわけないでしょ。大体そんなことしたらプロに一目でバレちゃうもの」
「……は? ま、まてよ! じゃぁこれ――」
記憶にありませんという乱馬の反応に、なびきは逆に呆れたように口を開く。
「ホント、あんたたち――って乱馬くんが覚えているはずはないわよね。ほら、いつものパターンじゃない。まぁ何度もあったら覚えてもないでしょうけど」
乱馬は首を傾げていたが、あかねはピンと来たらしく、真っ赤になった。
「この時のがホント良く撮れたのよねー。これ、猫になった後のアンタをあかねが押さえてるところ」
「なっ――……!?」
猫――唯一の弱点を強く差し出されたら、乱馬は猫に同化しようとし、記憶をそこから一切失う。
故に、写真を見たところでわかるはずもない。
いつも意識がないとはいえ――否、ないからこそ無意識に甘えているその姿は、自分の素直な姿を示しているようで、乱馬は真っ赤になった。
そしてあかねはあかねで、そんな乱馬を前に、まるで愛おしそうに見つめている。
無意識とはいえ、そんな自分の姿をなびきの写真で目の当たりしたのだ。
写真は気持ちを如実に語っていると言うのか――コメントし難い自身たちに、強気な姿は消え、微妙な空気が流れた。
「……ちょっと、やめてよ。いちゃつくなら別の部屋にしてちょうだい」
原因を作った張本人であるというのに、なびきは不機嫌そうにそう言い放つ。
そして問題は片付いたとばかりに、先ほど同様ベッドに沈み、雑誌に視線を落とした。
「じょ、冗談じゃない!!」
「ばっ、誰がいちゃつくか!!」
「それに前から言ってるけど、あたしたちでお小遣い稼ぎをしないでよ!」
「そうだ! 人の不幸を金にするなんて、なんてヤツだ!!」
なびきの姿に我に返り、そして責めるように言葉を紡ぐが、なびきはひらひらと手を振りながら、笑う。
「人聞き悪いわね。何言ってんの~。あんたたちの結婚資金になるんだから、感謝しなさいよ!」
そして、「あ、そうそう」と、なびきは思い出したように近くにあった財布を手にすると、一万円札を取り出した。
「謝礼よ。デートでもして来たら」
片目をぱちん、と器用に瞑るとその一枚のお札を乱馬とあかねに差し出すなびき。
「そういう問題じゃないでしょ!」
「まぁまぁ、いいじゃない。こういうものは快く受け取るのが礼儀よ」
「お前っ……」
無茶苦茶な言葉で言いくるめようとするなびきに、色々まだまだ言いたいことのある二人は、ジト目で睨みつける。
が、それを言わせることなく、なびきは遮った。
お父さんたちにこの本見せたらどうなるかしらね、と。
一枚も二枚も上手であるなびきに言葉を失う二人。
そう脅されては、結局打倒なびきなど出来ることもなく、一万円札を片手に、その部屋を出た。
酷い目には合ったが――
貰った折角の一万円。
故にその分け前を快く使おうとした乱馬とあかね。
だが――
タダより高いものはない
とはこのことか。
今度はデートの写真を撮られ、なびきは新聞部に売ると言う荒業を見せた。
渡された謝礼は倍以上になったであろうなびき。
抜かりない"あね"の姿に、乱馬もあかねも自分たちの甘さを痛感するしかなかった。
そして
幸せの瞬間――
写真は間違いなくその言葉を映し出していたが、それは二人の過ごす時間だけではなく、なびきの幸せのための瞬間という意味ではないかと、乱馬もあかねも感じていた。
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