らんま1/2の二次創作&日々の徒然なること…? |
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「あかねっ!」「あかねちゃんっ!」「天道あかねっ!」
「説明するね!」「説明しぃ!」「説明なさい!」
シャンプー、右京、小太刀――よく見る構図に、よく聞く台詞。
いつもなら、この台詞は乱馬に向けられるけど、今日のターゲットはあかねらしい。
「何なのよ……一体?」
出くわしてしまったトラブルに、あかねは盛大なため息をついた。
晩ご飯の材料で足りないものがあり、姉のかすみに頼まれて、買い物に出ての帰り道。
頼まれた以上に――秋のお菓子の新作など――つい買って両手が埋まり荷物が重かったが、色々な収穫があったために楽しげな足取りでいたあかね。
だが、突然目の前にタイミングよく揃って登場した三人にテンションをすっかり落とされた。
そして、いきなり「説明を!」と言われても訳がわからない。
「何なのも、何もないね!?」
「そや、抜け駆けはいかんやろ、あかねちゃん?」
「全く憎憎憎ーですわっ!」
しかし、あかねの問いに、返って来たのはこれであり、三人の話の主旨は全く掴めない。
尤も、今まで巻き込まれても、納得の行く説明など無かったが。
(どうせ、乱馬のこと。あたしと何かある訳無いのに……)
あかねは再びため息を、小さくついた。
あかねと乱馬は相変わらず喧嘩の毎日を送っていた。
そして相変わらずといえば、乱馬の優柔不断さも抜けてないので、祝言騒動があった後も、変わらずこの三人に追いかけられている。
何を考えているのかわからない、乱馬。
それを知りたいけど――反面、はっきりさせるのが怖い様な、複雑な想いもある。
故に、呪泉洞では感じた乱馬からの気持ちは何だったのか――あかねは何度もそんなことを考えては、思考の渦に取り込まれていた。
わからない乱馬の気持ち。
だというのに、理不尽にもトラブルに巻き込まれることに、急激に苛立ちを感じた。
「だからっ…何の用なのよっ! 訳がわからないわ! 乱馬のことなんかあたしに聞いてもさっぱりわからないわよ! 巻き込むのもいい加減にして頂戴!!」
まともに取り合って貰うことなど期待していないが、言わずにはおれない言葉。
すると右京から鋭い視線を向けられたと思うと、雑誌が投げられ、足元に落ちた。
「まだとぼけるんか? 見てみぃ!」
拾い上げた表紙には"投稿写真"と、いかにも怪しげな名前。
三人の厳しい視線を受けながら、表紙を開こうとすると、何度も見てくせがついているのか、自然とページが分かれた。
「なっ!!」
見た瞬間、目を見開きながら大きな声を上げる、あかね。
”優秀賞:幸せの瞬間 写真:天道なびき”
そこにはあかねが乱馬に膝枕している、シーンが映ってあった。
恋人たちの決定的瞬間――などと、訳のわからないコンテストタイトルに投稿されてあり、全く身に覚えがない。
だが――
(あたし…本当に幸せそうに乱馬の頭を撫でている。乱馬も気持ち良さそうに寝てるし)
自分で思うのもなんだけど――と言い訳しつつ感じるのは、幸せそうな二人。
「あかね…何、ニヤけてるね!」
思わず表情が緩んでいたらしく、言われて気づいたあかねは、わざとらしく咳払いをしながら、表情を改めて三人を見据え、「こんなの――」知らない、と言おうとした。
が、言葉は阻まれた。
「言っとくけどなぁ、ウチとやったらきっと大賞やで!!」
「右京、何を仰いますの!? 私と乱馬様なら、ですわっ!」
「乱馬は、右京にも小太刀にも膝枕頼まないね!」
「なんやてーっ!!」
「なんですってー!!」
「………」
確か、あかねを責めていた――だが、責めようとしながら自分たちの言葉で勝手に険悪になりあう三人。
(馬鹿馬鹿しい……)
ヒートアップしては益々ひどい目に合うのは見えているので、あかねはここぞとばかりに、逃げようとした。
天道道場跡取として逃げるのは癪ではあるが、常識が通じない相手ばかりであり、何よりこの写真のシチュエーションが思い出せないのでは、どうしようもない。
姉なびきに問い詰めなければ――
「ご勝手に…」
あかねは小さく呟くと歩き出した。
「待つね!」
しかし簡単に逃げられるはずなどなく、目ざとい三人は先ほどの言い合いを忘れたかのように、腕組みをして斜めに見据えるという気の合った立ち方であかねに視線を向けていた。
「そや、誰が大賞かは後で、や。それより…」
「あかねに説明してほしいね! この写真――」
「この合成写真をっ!」
じりじりと詰め寄り、責める右京とシャンプーだったが――しかし最後の小太刀の言葉が意外だったのか、「ご、合成!?」二人は声を揃えて驚いた。
それにあかねも目を見開く。
(成る程! おねえちゃんなら、それも有りえる……)
なびきの執念――このコンテスト、見たところによると大賞に百万円が贈られるらしく、それを思えばどんな手を使うかわからない。
自分の姉でありながら、小太刀の意見に賛同しそうになってしまう。
「合成…? それは有り得るかもなぁ」
「でも、それなら益々あかね汚いね!!」
しかし、シャンプーと右京の声に、納得している場合ではないことに気づく。
小太刀の発言で勝手に益々盛り上がっている三人は、合成という手に、卑怯だと今にも襲ってきそうな剣幕に変わった。
卑怯なのは三人の専売特許とも言えるというのに、他人には厳しいらしい。
話を聞く気は全くなさそうであり――乱馬でも逃げるのが大変な三人。
しかもあかねは買い物袋を持っており状況は良くない。
「仕方ないわね…」
ぎゅっと力を入れると、あかねは気合を入れた。
「説明するね!」「説明しぃ!」「説明なさい!」
シャンプー、右京、小太刀――よく見る構図に、よく聞く台詞。
いつもなら、この台詞は乱馬に向けられるけど、今日のターゲットはあかねらしい。
「何なのよ……一体?」
出くわしてしまったトラブルに、あかねは盛大なため息をついた。
晩ご飯の材料で足りないものがあり、姉のかすみに頼まれて、買い物に出ての帰り道。
頼まれた以上に――秋のお菓子の新作など――つい買って両手が埋まり荷物が重かったが、色々な収穫があったために楽しげな足取りでいたあかね。
だが、突然目の前にタイミングよく揃って登場した三人にテンションをすっかり落とされた。
そして、いきなり「説明を!」と言われても訳がわからない。
「何なのも、何もないね!?」
「そや、抜け駆けはいかんやろ、あかねちゃん?」
「全く憎憎憎ーですわっ!」
しかし、あかねの問いに、返って来たのはこれであり、三人の話の主旨は全く掴めない。
尤も、今まで巻き込まれても、納得の行く説明など無かったが。
(どうせ、乱馬のこと。あたしと何かある訳無いのに……)
あかねは再びため息を、小さくついた。
あかねと乱馬は相変わらず喧嘩の毎日を送っていた。
そして相変わらずといえば、乱馬の優柔不断さも抜けてないので、祝言騒動があった後も、変わらずこの三人に追いかけられている。
何を考えているのかわからない、乱馬。
それを知りたいけど――反面、はっきりさせるのが怖い様な、複雑な想いもある。
故に、呪泉洞では感じた乱馬からの気持ちは何だったのか――あかねは何度もそんなことを考えては、思考の渦に取り込まれていた。
わからない乱馬の気持ち。
だというのに、理不尽にもトラブルに巻き込まれることに、急激に苛立ちを感じた。
「だからっ…何の用なのよっ! 訳がわからないわ! 乱馬のことなんかあたしに聞いてもさっぱりわからないわよ! 巻き込むのもいい加減にして頂戴!!」
まともに取り合って貰うことなど期待していないが、言わずにはおれない言葉。
すると右京から鋭い視線を向けられたと思うと、雑誌が投げられ、足元に落ちた。
「まだとぼけるんか? 見てみぃ!」
拾い上げた表紙には"投稿写真"と、いかにも怪しげな名前。
三人の厳しい視線を受けながら、表紙を開こうとすると、何度も見てくせがついているのか、自然とページが分かれた。
「なっ!!」
見た瞬間、目を見開きながら大きな声を上げる、あかね。
”優秀賞:幸せの瞬間 写真:天道なびき”
そこにはあかねが乱馬に膝枕している、シーンが映ってあった。
恋人たちの決定的瞬間――などと、訳のわからないコンテストタイトルに投稿されてあり、全く身に覚えがない。
だが――
(あたし…本当に幸せそうに乱馬の頭を撫でている。乱馬も気持ち良さそうに寝てるし)
自分で思うのもなんだけど――と言い訳しつつ感じるのは、幸せそうな二人。
「あかね…何、ニヤけてるね!」
思わず表情が緩んでいたらしく、言われて気づいたあかねは、わざとらしく咳払いをしながら、表情を改めて三人を見据え、「こんなの――」知らない、と言おうとした。
が、言葉は阻まれた。
「言っとくけどなぁ、ウチとやったらきっと大賞やで!!」
「右京、何を仰いますの!? 私と乱馬様なら、ですわっ!」
「乱馬は、右京にも小太刀にも膝枕頼まないね!」
「なんやてーっ!!」
「なんですってー!!」
「………」
確か、あかねを責めていた――だが、責めようとしながら自分たちの言葉で勝手に険悪になりあう三人。
(馬鹿馬鹿しい……)
ヒートアップしては益々ひどい目に合うのは見えているので、あかねはここぞとばかりに、逃げようとした。
天道道場跡取として逃げるのは癪ではあるが、常識が通じない相手ばかりであり、何よりこの写真のシチュエーションが思い出せないのでは、どうしようもない。
姉なびきに問い詰めなければ――
「ご勝手に…」
あかねは小さく呟くと歩き出した。
「待つね!」
しかし簡単に逃げられるはずなどなく、目ざとい三人は先ほどの言い合いを忘れたかのように、腕組みをして斜めに見据えるという気の合った立ち方であかねに視線を向けていた。
「そや、誰が大賞かは後で、や。それより…」
「あかねに説明してほしいね! この写真――」
「この合成写真をっ!」
じりじりと詰め寄り、責める右京とシャンプーだったが――しかし最後の小太刀の言葉が意外だったのか、「ご、合成!?」二人は声を揃えて驚いた。
それにあかねも目を見開く。
(成る程! おねえちゃんなら、それも有りえる……)
なびきの執念――このコンテスト、見たところによると大賞に百万円が贈られるらしく、それを思えばどんな手を使うかわからない。
自分の姉でありながら、小太刀の意見に賛同しそうになってしまう。
「合成…? それは有り得るかもなぁ」
「でも、それなら益々あかね汚いね!!」
しかし、シャンプーと右京の声に、納得している場合ではないことに気づく。
小太刀の発言で勝手に益々盛り上がっている三人は、合成という手に、卑怯だと今にも襲ってきそうな剣幕に変わった。
卑怯なのは三人の専売特許とも言えるというのに、他人には厳しいらしい。
話を聞く気は全くなさそうであり――乱馬でも逃げるのが大変な三人。
しかもあかねは買い物袋を持っており状況は良くない。
「仕方ないわね…」
ぎゅっと力を入れると、あかねは気合を入れた。
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