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らんま1/2の二次創作&日々の徒然なること…?
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既に授業が始まっているというのに、現れない先生。
期待に胸を高鳴らせながら生徒たちは、ざわめいていた。

いつもなら、と言ってもどの授業も真面目に聞いている例(ためし)はないが、数学の時間となると最初から眠る気満々である乱馬も活き活きとした表情でいる。

ガラリと戸が開き、職員室に呼び出されていた日直が戻って来た。
日直の男子生徒に、自習、そう告げられて、期待通りとばかりに歓声が上がったのだが、

「この時間内に出来なければ、宿題だって~」

その後ろからひょっこり現れた女生徒の手にあったプリントと、言葉でそれがすぐに非難の声に変わった。




「んも~、これなら授業の方がマシよ!」

さゆりは机に突っ伏して先ほどから文句ばかりを吐いている。

「本当ね、難しすぎてこれじゃ早く終わって……なんてこと全然無理じゃない」

目の前に机をくっつけているゆかもため息交じりで、こんがらがるような数式を目の前に、シャーペンで机をとんとんと叩いている。

「ゆかの言う通りね。でも、そんなこと気にしてないのもいるけど……」

向かい合わせになっているさゆりとゆかの机の横に、所謂王様席のように机を設置させて座っているあかねは呆れを存分に含んでそう言いながら、ちらり、と視線を教室の後ろに向けた。
その視線の先には、紙を丸めてボールにし、柄がプラスチックで出来た小さなほうきをバット代わりに、乱馬と大介、ひろしを中心に、複数の男子生徒がミニ野球をして盛り上がっていた。
机や席を強引に前に寄せさせてスペースを作っているのだから、周辺は迷惑極まりないという表情をしている。

自習となると誰よりも活き活きする、三人組。
一年生の時、乱馬がこの風林館高校に転校して来てから見事なコンビネーションを見せており、この学校はクラス替えがないために二年になった今も、F組筆頭の悪ガキとして、必ず、騒動の真ん中にいた。
かくゆうあかねやさゆり、ゆかも、乱馬とあかね繋がりでそこに巻き込まれることも多々あるので、周囲から見ればある意味、六人組と称されることもあるのだが。





ぎゃはは、と響き渡る笑い声。
ほとんどはいつものことと諦めているが、真面目に取り組みたい人は迷惑そうにため息をついている。
プリントに向かいながら、頭をかかえているのを見て、言っても無駄だと諦めている様子が伺える。

「ちょっと! あんたたち、静かにしなさいよ!!」

さゆりは、立ち上がると、そんな人のためにか、びしっとそう言い放つ。
普段は人をからかうこと――乱馬とあかね限定だが――ばかりして、ふざけているイメージが大きいが、こういったところでは意外に真面目であり、何より男子生徒にも強いので注意するのは適役とも言える。
その声に、遊んでいる男子生徒たちが一斉にさゆりたちの方を向いた。

「いいじゃねーか、折角の自習なんだから」

そして、固いこと言うなよ~、と遊びを楽しんでいる大介がヒラヒラと手を振る。

「このプリント、やらなくちゃ宿題になるのよ! 考えている人には迷惑よ!」

真面目に取り組んでいる人から、そうよ! と後押しが入るが、

「俺たちだって、真面目に取り組んでるじゃねーか――」
「――ゲームに」

ひろしと、乱馬は顔を見合わせ、そして周囲の男子も揃って笑っていた。
バカにしたような物言いに、さゆりはムッとする。

「あんたたち、いいの~?」
「何がだよ?」
「言っておくけどこのプリント、いつも以上に超~難しいのよ。特に、乱馬くんは大変だと思うけど?」
「うるせー! ったく失礼なヤツだな。それに俺は別にかまわねーんだよ! あかねの写すし」

乱馬から、まるで当たり前のように言い放たれた言葉。

「なっ……」

普段から宿題を教えるために、どれだけ時間を費やしていると思っているのか――感謝もしていない様子の乱馬にあかねはムッとする。
あかねはじろ、と乱馬を見据えると、

「……言っておくけど、あたし、今回の宿題は見せてあげないからね!!」

冷たく言い放った。

「げっ! マジかよあかね!!」

慌てる乱馬だが、ぷい、とあかねは視線をそらす。
「部屋に来ても入れてなんてあげないからっ」
そして、そう言った。

すると、騒がしかった教室がしん、となった。

「「……ん?」」

急に静まり返った教室。
訳がわからず、あかねは思わず再度乱馬の方に視線を移すと、案の定乱馬も何だ?と首を傾げていた。

が、それは一瞬で、すぐにわぁっと大騒ぎになった。

「えっ? えっ?」
「な、何だ!?」

あかねはさゆりやゆかに、乱馬は大介やひろしに肘でつつかれたり、してニヤニヤと笑われる。

「何だ、じゃねーよ! ったく、ちゃんと宿題してくるからおかしいと思ってたら……」
「そりゃそうだよな。そんなオイシーシチュエーションがあれば、いくらでも頑張れるよな……あかねと二人っきりになれるんだからな」

ぽかんとしていた乱馬とあかねだが、ようやくそこで言わんとしていることに気づく。

「ばっ……何を……っ!?」
「えぇっ!?」

狼狽する二人を他所に、周囲は宿題をそっちのけで、興味津々とばかりに騒ぎ立てる。

「お前ら、違う勉強もしてるんじゃないだろ~な」

大介はそう言うと、ひろしに向かって、あかねっ、と言いながら抱きつき、それを見て、キャー、と声が上がった。

「ちょ、ちょっと!! 変なこと言わないでよっ!!」

あかねは真っ赤になって否定する。

「お、お前ら~~~っっ! んなわけねーだろっ! こっんな、色気のない女に手を出すか!!」

乱馬もわなわなと震え、真っ赤になりながら声を荒立て、そう言い切った。
そして、大体だな・・・とぶつくさと、あーだーこーだと悪口を言い始めた。
すると、周囲が乱馬から静かに離れ始めた。
と同時に――

「色気がなくて……」

あかねは立ち上がると、がた、と自らが座っていた椅子を片手で引くと――

「悪かったわねーーーーーーーっっ!!!!」

そう言い放つと、あかねの手から椅子は離れ、乱馬に飛びかかっていった。

ガツンッ!!!

見事、直撃。
椅子にノックアウトされた乱馬。



今日の数学の授業。
乱馬はいつも通り、眠っていた。






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